目を開けると、美咲の心配そうな眼差しと目が合った。
「ママ、やっと目が覚めた!」
看護師が声を聞いて入ってきた。
「美咲ちゃんはずっと心配していたのよ。あなたが気を失っていたこの数時間、ずっと付き添っていたわ」
私は美咲の痩せこけた小さな顔を撫で、強く抱きしめると、胸が痛くなった。
どうやって彼女に伝えればいいのか。彼女のお父さんが命を救う機会を他人にあげてしまったことを。
彼女はこんなにもパパが大好きなのに。
「美咲、怖かったでしょう。ママは大丈夫よ。今日はママと一緒に寝ましょうね」
私の心は混乱していたが、彼女を抱きしめ、優しく背中をさすりながら、寝かしつけた。
うとうとする中、突然彼女の小さな声が聞こえた。
「ママ、私の手術ができなくなったの、知ってる」
私はハッとして、一瞬で目が覚めた。