この数年間、美咲の世話のために、私は人付き合いもキャリアも諦めてきました。
みんな忘れてしまったようですが、私なしでは藤原勇人は何者でもありませんでした。
でも彼は一度も感謝の気持ちを示しませんでした。
美咲を妊娠してから、まるで夫を失ったかのようでした。
妊婦健診も一人で行き、美咲の世話も一人でしてきました。
彼を見捨てなかったのは、ただ美咲を父親のいない子にしたくなかっただけです。
美咲が病気になってからは、彼の柳田千春に対する態度はさらに無遠慮になりました。
彼女がダンスをしたいと言えば、会社の資源を使って道を開いてやり。
彼女が怪我をすれば、家を売って治療費を工面しました。
最後には、私の会社を潰し、母が残してくれた家も売り払い、挙げ句の果てには美咲まで死なせてしまいました。