第6章

夏川和子の言葉を聞いて笑ってしまったが、一歩一歩進めていく必要があることは分かっていた。

今、軽率に夏川和子と離婚すれば、婚姻財産の半分を彼らに取られてしまうだけでなく、

夏川家と田中家にも取引があり、大きな影響を受けることになる。

今、最も重要なのは夏川和子の弱みを見つけ、彼女を一文無しで追い出し、夏川家を破産させることだ!

私は夏川和子の提案を受け入れ、彼女に謝罪した。

【今日はサプライズを用意していたんだけど、こんなことになってしまって。】

夏川和子は無理に笑顔を作ったが、心は既に去っていく山本海斗と共にあった。

【大丈夫よ、先に帰って。私にはまだ用事があるから。】

私は冷ややかな目で慌てて去っていく夏川和子を見つめ、眉を寄せながらデザイン部の社員たちを見た。