山本瑶子は綺麗な顔立ちで、澄んだ瞳と真っ赤な唇、柳のように細い腰を持ち、大胆な服装をしていた。
一目見ただけで、人々を魅了するような存在だった。
まるで小鹿が真っ直ぐにあなたの心に飛び込んでくるような。
山本おばさんは笑顔で私の器にエビを一匹取り分けてくれた。
【久しぶりね、辰くんも大きくなって、本当に若くして立派になったわ。】
箸を下ろそうとした時、山本瑶子が私の器のエビを取った。
【お母さん、辰くんは魚介類アレルギーだって忘れたの?】
山本おばさんは呆れたように山本瑶子を見た。
【まったくあなたは、辰くんの好き嫌いは覚えているのに、お母さんの好物は覚えていないのね。】
山本瑶子が言った。
【もちろん知ってるわ、田中おばさんと田中おじさんの好物も全部知ってるもの。】