「ねぇ、あなた二重スパイでしょう?昨日は私を助けると言っておきながら、今日は私の住所をお兄さんに売り渡すなんて?」
私は怒りで指が震えながら、親友に矢継ぎ早にメッセージを送って非難した。
「だって、限度額なしのブラックカードをくれるって約束したから……」
親友が照れ臭そうな絵文字を送ってきて、私は呆れて空を見上げた。
「実はね、私はあなたに私の兄と結婚してほしいの」と彼女はご機嫌取りするように言った。
「そうすれば、結婚したら私たち毎日一緒にいられるじゃない?」
「あなたが兄の側にいて私と内外で手を組めば、いい暮らしができるでしょう?(ニヤリ)」
私はため息をつき、「もういいわよ、無理強いした恋は上手くいかないわ」
藤原九郎が藤原飛雄について話したことを思い出し、また彼女にメッセージを送った。