藤原九郎は呆然となり、私も呆然となった。藤原飛雄は俯いたまま、表情は読み取れなかった。
「優ちゃん、これはお前に関係ない。部屋に戻りなさい」藤原九郎は藤原飛雄を見つめ、狂気じみた表情を浮かべた。
親友は数歩前に出て、兄の手をしっかりと掴んだ。「お母さんが自分で、自分から階段から落ちたのよ!」
「だって、お母さんは藤原飛雄を引き取りたくなかったの。お父さんに藤原飛雄を追い出させたかったの!」
藤原九郎の顔が真っ青になり、信じられないという様子で親友を見つめ、自分の耳を疑うかのようだった。
「私、見たの...二階に隠れて全部見てたの...」
彼女は涙声になりながら、「後でお母さんがこのことを知って、私を脅したの。誰にも言うなって。言ったら私も一緒に追い出すって!」
「お母さんは...私が女の子だから、藤原家には役立たずだって言ったの」