極寒の終末世界の三ヶ月目。
前世では、私はこの月に死んだ。
死因は村上健一に階段から突き落とされ、足を折り、村上笑子が夜中に私の炭火を消して、窓を開け放ち、凍死させたのだ。
この三ヶ月の間、村上家の方々はほぼ毎日、十分な食料と水を持っていた。
全く苦労していなかった。
最初を除いて、今では誰も私に感謝していない。
私はもちろんこの結末を知っていたから、全く失望もしていない。
藤原安志はあの日から、私を警戒し始めた。
村上笑子も同じだった。
彼らは私がどうやって全てを知っているのか分からない。
でも二人とも、私の曖昧な言葉で戦々恐々としていた。
それなのに一緒に集まることもできず、本当の証拠を残すことを恐れていた。
飢えや寒さを経験したことのない村上家の方々は、藤原安志を含めて、誰も殺人なんて考えていなかった。