山本健一と木村蘭子の言う通り、私の実の父は私が十八歳の時に亡くなりました。父は会社を経営していて、母はずっとその会社で働いていました。
私が大学入試の年、父は出張で接待に行き、突然体調を崩しました。検査の結果、飲酒が過ぎて休養も取らなかったため、四十代で末期の肝臓がんになってしまい、余命わずかでした。
当時、私は大学入試の準備で忙しく、母は会社の業務を引き継ぐのに追われ、祖父は高齢で、私たちの家には父の面倒を見る時間がある人が誰もいませんでした。
私の受験勉強と会社の通常業務に支障が出ないよう、母は父のために介護人を雇うことを提案しました。専門的なことは専門家に任せるべきだと。私たちには時間がなく、たまに来ても十分な介護はできず、医師や看護師も毎日多くの患者で忙しく、時には父のことを忘れてしまうこともありました。