第11章

私の方には動かぬ証拠があり、木村峰雄夫妻は私がずっとこの件を調査していたとは思いもよらなかったため、結果は予想通りでした。計画的殺人と殺人未遂で、彼らは刑務所で一生を終えることになるでしょう。

連行される前、佐藤明美は必死に私に懇願しました。

「誠くん!私にこんなことしないで、私はあなたの実の母親よ!」

「父を殺そうとした時、夫婦だということを考えたの?」

私は冷たく笑い、佐藤明美に対して一片の同情も感じませんでした。

「正直に言っておくけど、大スクリーンに映し出された不倫の証拠も私が仕組んだものだよ。これが父を殺そうとした二人への代償だ!」

「私がいなくなったら、誰があなたにお金を出すのよ!あなたは仕事も見つからないダメ人間じゃない!私が捕まったからって、何か得するとでも思ってるの?」

「会社が潰れたら、あなたは一銭も手に入らないのよ!その時どうやって生きていくつもりなの!」

佐藤明美は野良犬のように私に怒鳴りつけましたが、私はまったく気にせず、むしろ笑いながら言いました。「まず二つのことを教えてあげよう。一つ目は、会社は既に父の友人に買収されたということだ。」

警察が父の遺書を私に渡すまで、この会社の所有者は常に私だったということを知りませんでした。ただ、佐藤明美は私に会社を相続させたくなかったので、ずっと真実を隠していたため、これらの年月、会社のお金は全て彼女と木村峰雄のポケットに入っていたのです。

そして、父は会社の経営が上手くいっていないことを早くから知っており、古い友人に任せようと考えていたのです。

「二つ目は、言い忘れていたけど、私は実は解雇されたわけじゃない。自主退職したんだ。宝くじで七千万円が当たったからね。」

これを聞いて、佐藤明美は完全に呆然としました。

「あ、あなた何を言ってるの?」

「殺人犯のあなたとは話すことなんてないよ。あなたたち二人がいなくなれば、木村蘭子にどんな日々が待っているか見物だね!」

私は冷たく笑いました。

「誠くん、そんなことしないで!蘭子もあなたも私の子供よ!二人とも私の実の子供なのよ、彼女はあなたの実の妹じゃない!」

佐藤明美は鼻水と涙を垂らしながら、木村蘭子を許してくれと懇願しました。

「無理だよ。それに、私が許したとしても、山本健一のような去勢された男が彼女を許すと思う?」