気品がなくなり、下品な本性が丸見えね!
もう!
私が言ってるのはそのコンドームのことじゃないわよ!
腹が立って、彼の手にあるものを叩き落としてしまった。
そのとき、エレベーターのドアが開いた!
総務部の田中さんが入ってきた。
彼女は私の足元にある色とりどりのものを不思議そうに見つめた。
吉田誠はピンと背筋を伸ばし、視線を少し上げ、世間とは無関係で他人事のような禁欲的な態度を装っていた。
明らかにこれらが全部私のものだと誤解させようとしているのよ!
説明しようとしたけど。
でも、説明のしようがなく、言い訳すればするほど怪しくなるだけだった。
田中さんは理解したような口調で:「佐藤ちゃん、女の子は自分の身を守らないとね。男の人の思うままにさせちゃダメよ」
そう言って、田中さんは親切にもコンドームを全部私のバッグに入れてくれた。