翌日、私は日が高く昇るまで寝ていた。
目を開けると、部屋には誰もいなかった。
ベッドの横に置かれた牛乳の下に、メモが挟まれていた。【美咲、会社に行ってくるよ。今度は逃げ出さないでね!】
起き上がって部屋の中を歩き回り、階下の部屋の前を通りかかると、ドアが半開きになっていた。
ドアを開けると、部屋中に写真が飾られており、私はその場に立ち尽くした。
写真の内容を確認すると、私は大きく開いた口を両手で覆った。
写真には全て私が写っていた。
そして、展示会で誰かに買われたデザイン画もあった。
それは改良版のウェディングドレスで、上半身はチャイナドレス、下半身は大きく広がるスカートのドレスだった。私の卒業制作だ。
当時、私は池田勇人に「私たちが結婚する時、これを着てもいい?」と尋ねた。