第12章

屋上の風は強く、目が覚めた時も首の後ろの痛みが残っていた。

私がぼんやりと目を開けると、やはり森川麗子だった。

彼女は病院着姿で、顔色も青白く憔悴していて、精神状態も良くなさそうだった。

「私に何を打ったの？」

周りの環境を見渡すと、向かいのビルから河村グループにいることがわかった。

「ちょっとした麻酔よ、大丈夫」

彼女は私の前に来て、手を返して私の顎を掴み、痛いほど強く握った。

「今はあなたのその顔を大切にしているわ。何も起こさせないわ。だって、このカラダはすぐに私のものになるんだから」

彼女は狂ったように笑い、私は恐怖を感じた。

「ふん、何をしようとしているのかは知らないけど、あなたの思い通りにはさせない。私と河村隆一が前世のようにあなたに騙されると思う？」

「黙りなさい！」