第8章

私は呆れて笑ってしまった。この女は本当に救いようがない。

「いいだろう。どうやら私のことを本当に嫌っているようだな。じゃあ離婚しよう。何も持たずに出て行け。お前の素敵な男のところへ行けばいい」

「なぜ私が何も持たずに出て行かなきゃいけないの?離婚するなら財産の半分は私のものよ!」

「そうしたら、このビデオを法廷で公開することになる。刑務所で財産分与の話でもしようか。よく考えろ。明朝10時に区役所で会おう。来なければ警察署で会うことになるぞ」

妻は目を真っ赤にして言った。「いいわ!あなたって酷い人!一夜の夫婦でも百夜の恩があるのに!藤田健太郎、よくもそこまで冷酷になれるわね!」

私が冷酷だって?

もう手遅れだ!

翌日、私は妻と正式に離婚した。

私は妻に山本隆司のために買ったセクシーで露出度の高い服や靴下を全部持って行かせた。それ以外の貴重品は一切持ち出させなかった。結婚指輪も含めてだ。

妻は一晩経って開き直ったようだった。「何も持たずに出て行くならそれでいいわ。隆司さんはあなたよりずっと将来性があるし、私のことを大切にしてくれる。後悔しても遅いわよ!私はすぐに隆司さんと入籍するわ!」

「そうか、それなら末永くお幸せに!」

数日後、山本隆司が泣きながら私のところに謝りに来て、土下座までして許しを乞い、愛子を返すとまで言い出した。

「どうしたんだ?お前ら入籍したんじゃないのか?幸せなはずだろう」

「申し訳ありません、健太郎さん。あの売女の愛子が俺を誘惑したんです。全部あいつが計画したことなんです。俺はずっとあんたを親友だと思ってたんです!今、闇金に追われてて、返せないと殺されちまいます!」

私は冷ややかに笑った。「それが俺とどう関係がある?」

「藤田さん!健太郎さん!そんな薄情にならないでください!愛子と結婚したんです。取り立ての連中は彼女まで襲うかもしれません!俺を助けないなら、せめて彼女を助けてやってください!」

滑稽なことに、山本隆司は借金の肩代わりをしてくれる人を探すために、愛子を騙して結婚したのだ。まあ、愛子は望み通りになったというわけだ。