第5章

山田お母さんは田中麗子を嫌そうに見つめていた。

「子だくさんが幸せって言うでしょう。産めない雌鶏を嫁に迎えたら、どれだけ笑い者にされるか分からないわ」

田中麗子は顔を蒼白にし、困惑した表情で山田健一を見つめ、彼女の愛する彼氏に何か言ってもらおうとした。

私は傍らに立ち、思わず心の中で冷笑した。

山田お母さんはこんなに理不尽だけど、山田家の他の人たちと比べれば、まだましな方だった。

「麗子、母さんの性格は分かってるだろう。心配しないで、帰ったら必ず説得するから」

田中麗子は山田健一を信じ、うなずいて甘い表情で彼の胸に寄り添った。

「私、あなたを信じてるわ」

私はもうこんな馬鹿どもを見ていられず、山田おばあさんの肺がんを口実に、両親に帰ると告げた。

しかし今回、山田おばあさんは隠すつもりはないようだった。