第6章

私は全身が寒くなった。まさか山田おばあさんが私のことを狙っていたなんて!

まさに蛙の分際で白鳥の肉を食おうとするようなものだ!

山田家の人々を見ていると、吐き気がしそうになった。この人たちは本当に何でも企んでくるんだ!

山田健一は中学卒業後、電機工場で数年働いてラインリーダーになった。

外では自分のことをリーダーだと言いふらし、偉そうにしていた。

田中麗子はそうやって山田健一に騙されたのだ。彼女は大学時代、勉強もせずに毎日遊び歩いていた。

その後、足湯店で働いていた山田健一と出会い、山田健一は田中麗子に目をつけ、遊びに連れて行ったり、ちょっとした恩恵を与えたりした。

田中麗子はそうして山田健一に心酔してしまった。

私も田中麗子に忠告しなかったわけではないが、彼女は呪いにかかったかのように、山田健一以外は眼中になかった。