第5章

松本昇太は松本光男が教えてくれたナビに従って、すぐに名も知らない山の麓に着いた。

私は荷物を持って後ろについて行き、三人が皆足元の道に集中しているのを見て、ポケットからマンゴー味のキャンディーを取り出し、こっそり食べた。

私はマンゴーアレルギーで、食べると全身が痒くなって発疹が出て、体が脱力する。

自分を傷つけたいわけではないが、前世の経験から、行きたくないと言っても彼らは許してくれないことは分かっていた。

食べてすぐに効果が出て、数歩も歩かないうちに、私はしゃがみ込んで動けなくなった。

田中美咲は全身が赤くなって発疹が出ている私を見て、目を回して言った。「また何やってるの?まさかマンゴー食べたでしょう?」

松本昇太も振り返って「歩けるの?もう少し頑張って」

私はもう言葉も出なかったが、二人は私が役立たずで台無しにしたと文句を言い続けた。