第5章

食事の最中、堀川美佳は時折私たちの高校や大学生活について話し、顔には甘い笑みを浮かべていた。以前なら、彼女のこんな表情を見て幸せを感じていたかもしれない。

でも今は、吐き気しか感じない。

「そうだ、あなた。ネットで炎上した件について私も見たんだけど、私たちは別に警察に届け出る必要なんて……」

「美佳、この料理ちょっと塩辛いね。今度は別のお店にしようか。」

「あなた、聞いて。警察はもうネットで公告を出したけど、ネットユーザーたちはまだ半信半疑の状態で、中には家まで来ると脅す人もいるの。あなたの安全が本当に心配なの。」

「こうしましょう。この数日間は私の親戚の家に泊まって。安全も確保できるし、何か危険なことがあったら、私か智博に電話してね。」

堀川美佳は口を開けば閉じれば、全て告訴を取り下げろ、警察に届け出るなという説得ばかりだった。