「今後あの子に手を出すのはやめなさい。外の人に知られたら......」
「それがどうした。実の子じゃないんだから。そうそう、私の実の娘からの仕送りは今月いつ来るんだ?」
「柳田家のお嬢さんを追いかけるのはやめなさい。」
「そんな丁寧な呼び方をする必要があるのか?俺が産んだ子だ、好きに呼ばせてもらう。」
玄関に立っていた私は、手が震えて持っていた栄養剤を床に落としてしまった。
母は私を一目見た。
母に裏庭に連れて行かれ、涙が溢れそうになった。
でも、これまでの年月、父と兄が私にしてきたことを母が知っていながら、見て見ぬふりをしていたことを思うと。
もう心は死んでいた。
かつては、産後うつのせいで私に冷たかったのだと思っていた。
まさか、私が実子ではないからだったとは。
母は慌てて私の手を掴み、口を開いて震えていたが、何を先に言えばいいのか分からないようだった。