第7章

鈴木望は私の手を支えながら止まった。

「何を言ってるんだ。食べたいものがあるなら、荘田昇に作らせればいい」

私は首を振った。

「荘田昇は昼間絵を描いていて、今はもう深夜だから寝ているはず。それに、彼は私の妹の夫であって、メイドじゃないわ」

鈴木望は眉をしかめ、目に怒りの色が浮かんでいるようだった。

「妹の夫が姉の面倒を見るのは当然だ。今すぐ呼んでくる」

私が何か言う前に、鈴木望は荘田昇を呼びに行ってしまった。

しばらくすると、キッチンから濃厚な香りが漂ってきた。

私の思いは複雑で、鈴木望は私を支えながら外に出た。

荘田昇は私を見て、明るく笑った。

「お姉さん、義兄さんから妊娠つわりがあると聞いて、特別に魚のスープを作りました。生臭さは全くありませんよ」

「ちょうど病院の予約も取ってあるので、よく眠って目が覚めたら、妊婦健診に連れて行きますね」