第8章

いつの間にか、空が明るくなっていた。

荘田昇は私が携帯をいじっているのを見ても、怒る様子はなかった。

私には分かっていた。彼は隠しアプリのことなど思いもよらないだろうと。

「このステージをクリアできないから、あなたがクリアしてくれないと進めないの」

私は携帯を彼に渡した。

ゲーム依存になるのを恐れて、わざと鈴木望の携帯にゲームをダウンロードしていたのだ。

鈴木望は困ったような表情を浮かべ、携帯を手に取ると5分もかからずにステージをクリアしてくれた。

「おとなしく家にいて、私が帰ってくるのを待っていて」

私は頷いた。

目が覚めると、もう午後だった。

荘田昇が私のベッドの横で絵を描いていて、目が覚めた時にはびっくりするところだった。

「どうして入ってきたの?」

荘田昇は画板を横に置き、笑みを浮かべた。