第14章

荘田昇は顔色が悪く、ただそのように私を見つめていた。

隣にいた鈴木望は自分のネクタイを引っ張った。

【以前、弁護士と連絡を取ったのは私ではありません。あなたと結婚してからは、そんな考えは一切ありませんでした。】

私は首を振った。百聞は一見にしかず、彼の言葉が本当だと確信できるはずがない。

それに、鈴木望の電話は彼自身と荘田昇しか使えないのだから。

【私がやりました。もうあなたに鈴木望と一緒にいてほしくなかったんです。あなたたちが一緒にいるのを見るのがどれほど辛いか分かりますか!】

荘田昇は今までの知的な仮面を剥ぎ取り、本性を露わにした。

【優ちゃん、なぜ私の苦心が分からないの?】

鈴木望も明らかに、荘田昇がこんな大きな罠を仕掛けて、自分の妻を誘惑しようとしていたとは思っていなかった。