第26章 結果は自己責任

「育ちがなんとかって言われても、あなたのような老いぼれ妖婆には及びませんよ。あの時、夫も子供も捨てて出て行った時、育ちなんてどこに捨てたんですか?」ついに、野村香織は立ち上がり、二見碧子に激しく反撃した。

当時、二見碧子は渡辺家が貧しく、良い暮らしができないことを嫌って、渡辺大輔を産んだ後に離婚を選んだ。この件は大きな波紋を呼び、多くの年配の人々が知るところとなり、これは二見碧子の人生で最も非難される痛点となった。

二見碧子は怒りで目が眩むほどだった。普段から美容に気を使っていたおかげで気絶せずに済んだものの、これほどの年月が経っても、時間が全てを薄れさせると思っていた彼女の黒歴史を、今野村香織に面と向かって指摘されたことで、心中で言いようのない屈辱を感じていた。