第34章 30億円のベンチャー投資

午後三時、時間通りに喫茶店で。

窓際のテーブルには、二十七、八歳くらいの男性が座っていた。清潔感のある黒いスーツを着て、タブレットを手に見入っていた。野村香織が喫茶店に入り、店内を見渡してから、その男性の方へ歩み寄った。

野村香織が近づいてくるのを見て、男性は一瞬驚き、瞳孔が思わず収縮した。野村香織は本当に美しかった。白いロングドレスに可愛らしい白いシューズ、ふんわりとしたトレンディーなカールヘア、そして自信に満ちた雰囲気が、多くの人々の視線を集めていた。

「竹島晴翔さんですか？」と野村香織は尋ねた。

竹島晴翔は我に返り、自分の失礼さに気づいて慌てて立ち上がり、「はい、竹島です。サマーさんですか？」と声をかけた。

野村香織は微笑みながら頷いた。「はい、私です。お会いできて嬉しいです。この話し合いが、とても有意義なものになることを願っています。」

そう言って、野村香織は率先して手を差し出した。竹島晴翔は軽く彼女の手を握り返した。表情には表さなかったものの、心の中では大きな衝撃を受けていた。サマーがこんなに若いとは、まったく予想していなかった。

「もちろんです。サマーさん、どうぞお掛けください。」と竹島晴翔は丁寧に言った。

二人が席に着き、ウェイターを呼んでそれぞれコーヒーを注文した。野村香織は竹島晴翔を一瞥し、心の中で頷いた。ビジネスは人を見るのが第一で、「相は心を表す」という古い言葉がある通り、人の心の善し悪しは顔に現れる、特に目に。

竹島晴翔は落ち着いた姿勢で、端正な容貌、澄んだ目をしていた。常に野村香織を見つめていたが、その眼差しには賞賛の色があり、少しの濁りもなかった。野村香織は心の中で彼に八十点の第一印象点をつけた。

「時間も遅くなってきましたので、本題に入りましょうか。」と野村香織は言った。

竹島晴翔は頷いた。まさに彼の考えと同じだった。皆忙しいのだから、商談に来たのなら無駄話をする理由はない。手にしていたタブレットを野村香織に渡しながら、「サマーさん、先ほどのご要望に従って、いくつか修正を加えました。この企画書をもう一度ご確認いただけますでしょうか。」