「ダメよ、前に調べてって言われたことが分かったわ。やっぱり関口美子が裏で悪さをしていたのよ」と小村明音は報告した。
野村香織は冷ややかに鼻を鳴らした。「やっぱり彼女だったわね!」
小村明音は興味深そうに尋ねた。「香織ちゃん、正直に言いなさいよ。今夜渡辺家に行ったのは何のため?懐かしい場所を訪れて、景色は変わってなかった?」
野村香織は軽く唾を吐くように言った。「ふん!何が景色よ。私は物を取りに行っただけよ。渡辺奈美子が私の大学の卒業写真を隠したの。渡辺大輔が教えてくれなかったら、まだ分からなかったわ」
「マジかよ!高価な物がたくさんあるのに、一枚の写真、それも卒業写真を盗むなんて、渡辺奈美子は何をするつもりなの?」小村明音は思わず乱暴な言葉を吐いた。
野村香織は無関心そうに言った。「知るもんか。でも絶対に良からぬことを企んでいるわね。今日お兄さんに面と向かって叱られたから、何かしようと思っても結果を考えるでしょうけど」