小村明音「……」
昨夜、何時間も眠れず、野村香織はこれらのことを考えていた。間違いなく、トレンド入りは渡辺奈美子か関口美子が仕掛けたものだ。だから彼女たちは絶対にトレンドを下げるつもりはない。小村明音には広報対策がないので、残るは渡辺大輔だけだ。結局、これは彼のことも関係しているのだから。
言うまでもなく、渡辺大輔の「本当に僕のことを愛しているの?」という言葉は衝撃的だった。渡辺大輔の目には、彼女はずっと拝金主義の女性でしかなかった。彼のことを愛しているかどうか、それが重要なのだろうか?
「笑わせる!」野村香織は冷ややかに鼻を鳴らし、もうこれ以上考えないことにして、朝食作りに専念した。
朝食後、野村香織は車で出かけた。関口美子が裏で暗躍していたことが分かった以上、どうすべきかも分かっていた。実は彼女は関口美子を挑発するつもりはなく、目に入れたこともなかったが、いつまでもハエが周りをブンブン飛び回っているのを放っておくわけにもいかない。