第85章 既視感

電話を切ると、野村香織は宅配便を持って衣装部屋に入り、開封すると、白いフルレングスのドレスが目に飛び込んできた。ドレスはボディラインを美しく見せる腰のラインが特徴で、手刺繍が施されており、ビスチェ部分は立体的なデザインで、まるで蕾のような形をしていた。縁にはピンクのレースが施され、純白の中にピンクのアクセントが美しく映えていた。

スカート部分は非常に滑らかで、淡いピンク色のバラの花々が咲き誇り、ドレスを華やかに彩っていた。驚くべきことに、それぞれのバラの花芯にはキラキラと輝くラインストーンが埋め込まれており、光の下で虹色に輝き、とても目を引くものだった。

ドレスを身に当ててみると、野村香織は目を細めて微笑んだ。とても満足そうな様子で、着用して鏡の前で写真を数枚撮り、小村明音に送って共有することにした。