第195章 親切なネットユーザー

双方のマーケティングアカウントの応酬により、ネット上では次第に二つの派閥が形成され、様々な意見が飛び交い、最終的に権威ある機関の統計によると、天満奈津子の謝罪配信事件の注目度は、多くの一流芸能人をも上回ったという。

この件の当事者の一人である野村香織は、当然この世論の渦から逃れることはできず、翌日にはトレンド入りを果たした。一部の人々は誤った方向に導かれ、偏った見方をして、ネット上で野村香織を非難したが、大多数のネットユーザーは比較的冷静な判断力を持っており、その日の配信動画が再びネット上に投稿されると、野村香織を非難する声は完全に消えた。

笑うべきか泣くべきか分からないのは、真相を知った後、元々天満奈津子側に立っていた人々が、矛先を変え、天満奈津子に対して、あの日の謝罪配信の時、本当に故意に目を赤くしていたのか、そうする意図は何だったのかと追及し始めたことだ。

そんな中、物語は新たな展開を見せる。どこからともなく現れた「親切なネットユーザー」が公開声明を出し、野村香織と天満奈津子の両方を知っているが、ただの知り合い程度で、彼女たち二人との関係は極めて普通だと述べた。この人物は、3年前の天満お爺さんの誕生祝いの時、渡辺大輔と野村香織が招待されたが、当時皆が野村香織を拝金主義者だと思い、厚かましく渡辺家に取り入ったと考えていたため、天満家の方々は野村香織に対して非常に不友好的な態度を取っていたと語った。

この「親切なネットユーザー」は、多くのネットユーザーが信じないかもしれないと考え、さらに声明文を発表し、天満お爺さんの誕生祝いの夜に起きた全ての出来事を詳細に描写した。天満奈津子と渡辺奈美子が共謀して野村香織をいじめ、ケーキを彼女の服に付け、さらにドレスの後ろを赤く染めた経緯などを含めて。

「親切なネットユーザー」は最後に、この件を明かしたのは、天満奈津子を追い詰めたり、この機会に彼女を踏みつけたりするためではなく、また天満奈津子がどれほど悪い人間かを示すためでもないと述べた。むしろ、個人的な推測として、野村香織が天満奈津子に配信での謝罪を強要したのは、誕生祝いの時に受けた屈辱の仕返しだったのではないかと述べた。