第201章 敵が多すぎる

別荘に入ってから、野村香織は特に玄関の監視カメラを確認しに行き、渡辺奈美子と二見碧子がもう玄関で待ち伏せしていないことを発見した。やはり同じもの同士で対抗できるものだ。渡辺大輔の親族を切り捨てる手腕は相当なものだった。

春節まであと数日となり、小村明音と柴田貴史は年越しを奉天市で過ごす予定で、特に野村香織に一緒に行かないかと尋ねに来た。香織は最初、邪魔をする気はなかったが、考えた末に承諾した。

奉天市は非常に長い歴史を持つ古都で、和国全体でも有名な都市の一つだ。現在は科学技術が発展しているものの、奉天市は昔ながらの建築物や文化的景観を多く残している。香織が奉天市での春節を承諾したのは、完全に彼女が奉天市に不動産を所有していたからだ。それは両親が亡くなった後に残してくれたもので、両親も奉天市に埋葬されているため、奉天市は彼女の故郷とも言える。