野村香織は微笑んで言った。「警備員のおじさん、私のことをご存知ないのは当然です。ここには住んでいなくて、今日は友達の家で食事をご馳走になりに来たんです。B棟3号室202号室なんです」
警備員のおじさんは納得した様子で「なるほど、見かけない人だと思っていました。でもあの若い二人は本当に才色兼備で、まるで金のように輝く二人ですね。特にあの女の子は、テレビに出ている女優さんみたいな可愛らしさです。娘が『きれいな人はきれいな人と付き合うものよ』と言っていましたが、信じていませんでしたが、今日実際に見て分かりました。さあ、早く中に入りなさい。外は寒いですから」
美しいと褒められて、野村香織の気分は自然と良くなった。「警備員のおじさん、新年おめでとうございます。お仕事頑張ってください」