小村明音は苦笑いをして言った。「はぁ、貧乏のせいよ。あなたの三分の一でもお金があれば、こんな真夜中に雪の中で撮影なんてしなくて済むのに」
野村香織は話題を変えて尋ねた。「送ったものは見た?」
小村明音は答えた。「見たわよ、だから電話したんじゃない。岡山美央子のことを追い詰めるつもり?こんなに多くの黒い噂を掘り出すなんて」
野村香織は少し笑って言った。「瓦解した時は皆で追い詰めるものよ。あなたも参加したくない?」
小村明音は首を傾げた。「皆で追い詰める?岡山美央子に何かあったの?南の方で撮影してるって聞いたけど、大きなIP作品よ。得意げに舞い上がってるみたいね」
一旦止まって、軽蔑した様子で冷笑した。「どの監督と寝たのかしらね。あの程度の演技力で、こんないい作品に出られるなんて信じられないわ。しかも、この作品は私たちの会社の美知子ちゃんの仕事を奪ったのよ。彼女がいなければ、美知子ちゃんは今年きっとブレイクしてたはずよ」