第321章 私に利用されるのが怖くないの?

その言葉を聞いて、野村香織は口角を上げて笑いながら言った。「いいわよ。でも、もしあなたが負けたら、川井遥香とゴルフ場の入り口で待機して、彼が最初に出てきた異性にキスをしたら、あなたは二番目に出てきた異性にキスしなければならないわ」

渡辺大輔「……」

彼はようやく川井遥香と川井若菜が先ほど青木翔を見ていた目つきの意味を理解した。やはりこの青木翔は最低だ。どうしてこんな悪趣味な提案をするんだ?

青木翔は耳が良く、野村香織が渡辺大輔にもこの賭けを持ちかけたのを聞いて、すぐに面白がるような表情で言った。「野村さん、応援してますよ。頑張ってね!」

彼が野村香織を応援するのを見て、渡辺大輔は首を傾げて冷たい目で彼を睨みつけた。青木翔はすぐに首をすくめ、視線をそらして何も知らないふりをした。