第316章 うわっ、極上だね!

小村明音が撮影クルー全員を連れて見物に行くと聞いて、野村香織はついに我慢できずに、頭を後ろに倒して大笑いした。その場面を実際に見てはいないものの、頭の中でその光景を想像することができた。

しばらく笑った後、野村香織は言った。「明音さん、やるわね。」

小村明音は照れ笑いをしながら言った。「あの女、ヒキガエルみたいで、人を噛まないけど不快にさせる上に、特にあなたを困らせようとするんだもの。」

電話の向こうで誰かが小村明音を呼ぶ声がした。野村香織は時計を見て言った。「もういいわ、無駄話はこれくらいにして。せっかくの休憩時間だから、早くセリフの練習でもしなさい。」

そう言って、彼女は電話を切った。富田玲香のぶっきらぼうな言葉を思い出し、また笑い出した。こんな大げさに人の騒ぎを見物に行くなんて、世界中で小村明音にしかできないことだろうと思った。

……

光陰矢のごとし、あっという間に一週間が過ぎ去り、今日は日曜日。ごく一部の事業所を除いて、ほとんどの会社は従業員に休暇を与えていた。

野村香織はここ数日よく休養を取り、一人でとても静かで穏やかに過ごしていた。朝早く起きて窓を開け、初春の新鮮な空気を吸い込んでいると、久しぶりにゴルフをしたい気分になった。そこで簡単な支度を済ませ、淡いピンク色のスポーツウェアを着て別荘を出た。

ゴルフは金持ちの上品なスポーツだ。以前は彼女もよくプレーしていたが、渡辺家に嫁いでからは、もう優雅に遊ぶ機会がなくなった。時が流れ、今では以前ほどゴルフを好きではなくなっていたが、早くに経済的自由を手に入れた彼女は、今日はふと思い立って、時間を潰しに来たのだった。

河東リバーサイドゴルフ場は、河東市最大かつ最高のゴルフ場だ。5年前から、彼女はここの終身VIP会員だった。というのも、ここにある小型の多目的施設は彼女が出資して建てたものだからだ。

野村香織が意外に思ったのは、到着するなり以前一緒にゴルフをしていた仲間に出会ったことだ。とはいえ、彼らとは会釈する程度の付き合いで、コースを離れれば互いを知らない関係だった。