今回、渡辺大輔は一気に飲み干すことはせず、より優雅な様子を見せた。高貴な薄い唇をグラスの縁に当て、少し顎を上げて水を飲む。その動作に伴い、男性のシャツの襟が大きく開き、白い胸筋と完璧な輪郭の鎖骨が露わになった。野村香織は一瞬呆然とし、その後すぐに頬を赤らめた。男性の胸筋も魅力的だと思っていたが、鎖骨は女性よりも美しいとは思わなかった。
一緒に生活したことはないものの、野村香織は渡辺大輔の生活リズムをある程度理解していた。言うまでもなく、渡辺大輔のような男性は珍しく、彼の生活は非常に規律正しかった。週に4日はジムでボクシングをしており、そのため彼の体型がこれほど良かった。唯一野村香織を驚かせたのは、今日の渡辺大輔の酔っぱらった姿だった。彼女の記憶では、渡辺大輔はほとんどお酒を飲まない、というよりも彼が飲酒する姿を見たことがなく、今日のような状態は普段では考えられないことだった。