青木翔はこの言葉を道中ずっと聞かされ、両耳にタコができそうなほどだった。渡辺大輔をホテルの予約済みの部屋まで支えながら歩く間、通りすがりの人々から白い目で見られ続けた。事情を知らない人々は、渡辺大輔をクズ男と思い込み、その友人である青木翔もろくな人間ではないと思い込んでいた。
しかし、青木翔が予想もしなかったことに、渡辺大輔は彼と一緒にエレベーターに乗ったものの、自分の部屋には戻らず、直接野村香織の総統スイートルームの前まで行ってしまった。
渡辺大輔が自分の部屋に戻ることを頑なに拒否し、ここで野村香織の門番をやろうとしているのを見て、青木翔は呆れて言った。「最後にもう一度聞くけど、自分の部屋に戻るのか戻らないのか?」
渡辺大輔は彼を睨みつけて言った。「うせろ!帰りたければ帰れ、俺の邪魔をするな。」