私は心の中で、この間に起きた出来事を静かに整理してみた。
まずは加藤蓮のこと。私は何度も何度も彼を拒絶したが、彼は信じられないという態度から、ショックを受け、恥ずかしさと怒りを感じ、そして今では執着して離れない。それによって私は少しずつ真相に気づき始めた。
私の価値は、私の容姿だけによるものではない。もちろん、南野家の家柄も私とは何の関係もない。
私の価値は、私が「価値のある」人間だということ。私を得た者が天下を得るとまでは言わないが、少なくとも、私を得た者は巨大な利益を得ることができる。加藤蓮のような人物でさえ垂涎するほどの巨大な利益を。
しかし、彼らが欲しいのは私の価値であって、私という人間ではない。
これで前世で私が離婚させられ、家から追い出された理由も説明がつく。私には価値がなくなったから、私の価値は搾り取られてしまったのだ。