第171章 助っ人

麦田絵麻姫は自分の頭をこすりながら、困惑した表情で言った。「私のお母さんは小さい頃から私のことを役立たず、頭が悪い、勉強もしない、何の取り柄もないと思っていて——」

「はいはい、ストップ！これ以上言ったらヴェルサイユ症候群になっちゃうよ！」私は彼女の言葉を遮った。

私は彼女を見つめ、ため息をついて、話題を拾い直した。「じゃあ、卒業後は何をしたいの？」

麦田絵麻は首を振り、淡々と言った。「卒業してから考えるよ。」

私はまた言葉に詰まり、頭を振った。「ヴェルサイユ過ぎる。」

私は平野由奈の空いているベッドと机を指さした。「見てよ？平野由奈は入学した初日から保研（大学院推薦入試）の準備をしてるんだよ。彼女はアルバイトもしなきゃいけないのに。幸い今日はいないけど、もしいたら、人と比べたら死にたくなるよ。私たちはどうやって生きていけばいいの？」

麦田絵麻は私を軽く叩いた。「何よ、あなたたちとか私たちとか。あなたと平野由奈は違うでしょ。あなたは卒業後に履歴書を送って仕事を探す必要があるの？加藤教授が許すの？叔父さんが許すの？結局何が言いたいの？もっと直接的に言えない？このまま続けたら、私、人民の前で切腹しちゃうわよ！」

私はため息をついて、弱々しく言った。「本当はアルバイトをしてみない？って聞きたかったの。早めに準備して仕事の経験を積んで、ついでにお小遣いも稼げるし。でも言い出せなくなっちゃった。あなたには必要ないもんね！」

麦田絵麻の目が輝き、私の腕をつかんだ。「本当？本当なの？南野星、どんなアルバイト？あなたと加藤真凜がやってるやつ？あなたたち二人がゲームをしてるわけじゃないって知ってたわ！私も参加したい、参加させて、お金はいらないから、参加させてくれるだけでいいから！」

私は思わず笑った。「さすが姫様だね。」

彼女が再び私を叩こうとする前に、私は両手を上げて降参した。「もういいよ、冗談はここまで。本題に入ろう。」

私は自分と加藤真凜がやっていることを麦田絵麻に話した。

「加藤真凜がいないから、全部の仕事を一人でやらなきゃいけなくて、本当にきついんだ。もしあなたが加わってくれるなら——」

「加わるわ！」麦田絵麻は私の言葉を遮り、即座に決断した。

彼女の輝く目を見て、私はとても嬉しく思った。