「15億を出します。純粋な投資で、既存の株式は変更しません」私は立ち上がり、声を上げた。
私の声は議論の喧騒を貫き、会議室は一瞬にして静まり返った。
すべての視線が私に集まった。
私は自分を見下ろした。うん、取締役会だから特に白いシルクのシャツに黒いワイドパンツ、黒い小さなジャケットを合わせて、とてもプロフェッショナルな装いだ。年齢が若いことを除けば、私はそれなりに様になっていると思う。
だから私に集まる視線にもあまりプレッシャーは感じなかった。
森山崇の表情は非常に険しかった。
南野風は我慢できなくなり、怒って言った。「南野星!ここがどこだか分かっているのか?何を言い出すんだ!出て行け!」
私は彼の怒りなど気にせず、冷静に言った。「森山さんが外部の人間として南野氏に資金を投入できるなら、私が南野家の者として投資できない理由はありますか?その権利がないのでしょうか?皆さんはどう思いますか?南野星が15億を投資し、株式構成を変えず、純粋な投資としてはどうでしょうか?」
私は微笑みながら、南野風のやり方を真似て、視線を一人一人の顔に向けた。
全員が驚いた表情を浮かべていた。異なる顔、同じ表情。
私はにっこり笑った。「私の経済力を疑う必要はありません。言えるということは、それだけの力があるということです。そうでしょう?森山五代目?」
私は森山崇を見て、正面から対決する準備をした。
森山崇の顔に薄い笑みが浮かんだ。「南野星さまの言う通りです。たかが15億、あなたなら出せるでしょう。堂本遥華があなたに残したのはそれだけではないでしょうから」
私は笑った。「森山五代目が証言してくださってありがとうございます。今すぐ私個人で15億を出して南野氏の危機を乗り切るお手伝いをします。他の方々の株式はそのままで、私は叔父の分だけ欲しいのですが、叔父や皆さんに異議はありませんか?」
「15億で私の株を買いたいだと?そんなことあり得ない!」南野風は怒鳴った。
「では森山五代目はあなたの株式にいくら払ったのですか?」と私は尋ねた。
南野風は黙り込んだ。
株主たちはようやく気づいた。「南野風!お前は我々を売り飛ばしたのか?自分だけ利益を得るつもりだったのか?」