第211章 利益

南野グループが最終的に私の手に落ちたことは、誰も予想していなかったことだろう。

森山五代目の生き血を啜るような攻撃は避けられたものの、これで平坦な道が開けたというわけではない。

幸い南野グループの中核となる力はまだ健在で、利益のために、疑念を抱いていた株主たちも奮い立ち、私と共に外敵に立ち向かわざるを得なかった。

我々がまず行うべきことは陣地を固め、南野陽太親子がグループにもたらした損害を最小限に抑えることだった。

南野風は頭を下げざるを得ず、広報部の付き添いのもと記者会見を開き、健康上の理由で辞任を申し出、さらに娘の結婚式の準備に取り掛かることを外部に明かした。

一方では、もちろん南野お嬢様と加藤家の若旦那様の世紀の結婚式を大々的に宣伝することに力を注いだ。

南野家側は大忙しだったが、加藤家は静かなものだった。