第311章 巻き添え

時田家の商業帝国は、あっという間に崩れ去った。

きっかけは時田家のあの出来の悪い息子の、人々が噂する趣味だった。それが次第に直視できない犯罪へと発展し、続いて時田家の株価に影響が出始めた。

まるで蝶の羽ばたき効果のように、小さな蝶の羽の一振りが、大洋の向こう側で津波を引き起こしたかのようだった。

次々と被害者たちが名乗り出て、時田徹也の数々の罪を大胆に告発した。驚くべきことに、これらの被害者には男女両方がおり、時田若旦那の趣味の幅広さには舌を巻くほどだった。

そして時田家のビジネススキャンダルも、雪崩のように暴露され始めた。

時田家の広報部門はすでに対応しきれず、疲弊していた。

時田理はわずか数日で、十数年も二十年も老け込んでしまった。

息子のことも会社のことも、彼はもはや手の施しようがなかった。

窮鼠猫を噛む、兎も追い詰められれば人を噛む。

時田理はすぐに結論を出した。これらすべては麦田奥様との縁組が原因だと。

結局、縁組は成立せず、今日のような状況に陥ってしまった。約束した同盟関係、取引が成立しなくても、義理は通すべきではないか!

なぜ経を読み終わったら坊主は要らない、川を渡ったら橋を壊すのか?

時田理は麦田奥様を訪ねることにした。

しかし、麦田奥様はもうM市にいなかった。

麦田奥様の別荘には、山崎浩介が住んでいた。

山崎浩介は別荘で時田理と会ったが、時田理は何も得られずに帰った。

山崎浩介から利益を得られる者はいない、これは麦田絵麻が私に教えてくれたことだが、確かにその通りだった。

しかし、時田理はやはり長年業界で名を馳せた人物だ。このような不利な状況を、ただ黙って受け入れるわけにはいかない。

起きたことには必ず痕跡が残るものだ。

加藤真凜が時田家を攻撃するために使ったデータベースは、空都専用のものだった。

そのため、これらの痕跡をたどって空都にたどり着き、時田理はすべての流れを把握した。

空都の本部は滅茶苦茶に破壊されていた。

ここは叔父さんの事業で、1階と最上階は全く異なるスタイルのバーで、2階と3階はジム、地下が私たちのオフィススペースだった。

さらに、不良グループ四人組のうち二人が重傷で入院し、二人が連れ去られた。