第311章 巻き添え

時田家の商業帝国は、あっという間に崩れ去った。

きっかけは時田家のあの出来の悪い息子の、人々が噂する趣味だった。それが次第に直視できない犯罪へと発展し、続いて時田家の株価に影響が出始めた。

まるで蝶の羽ばたき効果のように、小さな蝶の羽の一振りが、大洋の向こう側で津波を引き起こしたかのようだった。

次々と被害者たちが名乗り出て、時田徹也の数々の罪を大胆に告発した。驚くべきことに、これらの被害者には男女両方がおり、時田若旦那の趣味の幅広さには舌を巻くほどだった。

そして時田家のビジネススキャンダルも、雪崩のように暴露され始めた。

時田家の広報部門はすでに対応しきれず、疲弊していた。

時田理はわずか数日で、十数年も二十年も老け込んでしまった。

息子のことも会社のことも、彼はもはや手の施しようがなかった。