第366章 強敵

月島凛お嬢様はいつも一対一で、どこへ行くにも鈴木千代お嬢様を連れて行くのが常でした。

一つには、鈴木千代お嬢様は月島凛お嬢様のブレーンであり心の支えであること、二つには、お嬢様の平野由奈が現れてからというもの、月島凛はますます鈴木千代の重要性を認識するようになりました。鈴木千代が落ちぶれていた時に自分が彼女を見捨てなかったのだから、今後鈴木千代はさらに熱心に自分を助けてくれるはず。そして、鈴木千代と一緒にいれば、純血の平野由奈を孤立させることもできるのです。

加藤蒼は鈴木千代を大歓迎しました。この頭の弱い女性が最も崇拝する人物こそが鈴木千代だったのです。

そして、鈴木千代は非常に「不本意」ながらも月島凛について加藤家に短期滞在することになりました。

もし加藤家で彼女たちを歓迎しない人がいるとすれば、それは間違いなく長男の奥様である南野陽太でしょう。

南野陽太はもうすぐ出産を控えており、妊婦の感情は元々不安定なものです。この重要な時期に、鈴木千代がこうも堂々と住み込んでくるなんて、南野陽太が耐えられるはずがありません。

そのため、南野陽太は毎日家で騒ぎ立て、鈴木千代を追い出そうとしていました。

蘭伯母さんには少々よくない趣味がありました——ゴシップを聞くことです。

白川恵美伯母さんは、実は蘭伯母さんが聞きたいのは加藤家のゴシップだと知っていました。困りながらも面白く思い、彼女のしつこい頼みに負けて、加藤家の元使用人から「つまらない」話を聞き出すことがありました。

使用人たちは皆、三夫人が今や七旦那様の庇護を受け、さらに蘭奥様という後ろ盾があり、しかもこのようなささいなことで彼らに「褒美」をくれることを知っていたので、加藤家内部の馬鹿げた出来事を喜んで蘭伯母さんのところへ「密輸」していました。

私たちもそのおかげで恩恵を受けていました。

正直に言うと、私はもう南野陽太という存在をほとんど忘れかけていました。

つい最近、平野由奈が話題にしたことで、私はこの従姉のことを思い出したのです。

私の周りには重要なことがたくさんあり、この従姉が以前私にしたことは徐々に忘れつつありました。実際、私はそれほど優しくはなく、彼女を許すわけではありません。

許すことはないでしょう。気にしないのは、力の差があまりにも大きく、勝っても武勇にならないからです。