「高橋隆さん、南一号線だ!」
私の言葉が終わるや否や、高橋隆の車はハンドルを切り、対向車線に強引に割り込み、口笛と罵声の中を颯爽と走り去った。
私は道中で侵入できるあらゆる映像を収集し続け、ついにその車のナンバープレートを捕捉した。これでずっと簡単になった。
この誘拐犯グループを見つけるのは、それほど労力を要しなかった。
彼らにとって、これはただの日常茶飯事だったからだ。
高橋隆さんは私に彼の腕前を見せつけた。一人で一団と戦い、全く問題なかった。
私はブルブル震えているじいさんを檻から引っ張り出し、車に押し込んだ。そして、まだ激しく戦っている高橋隆に撤退を促した。
前後30分もかからなかった。
電光石火の速さだった。
じいさんは私と高橋隆の顔をはっきりと見ると、涙と鼻水を流しながら言った。「なぜお前たちなんだ?どうしてここに?加藤律はどこだ?」