第465章 南野氏

「刑務所の人が私に会いたいって?」

「看守それとも囚人?」私は少し混乱した。

おっちゃんは唾を飲み込み、言いにくそうな表情で「囚人です」と答えた。

私は考えてみたが、囚人なんて知り合いはいないはずだ。そこで麦田絵麻と加藤真凜の方を見た。

二人は同時に困惑して首を振った。

「誰?」私はおっちゃんに尋ねた。

「星さん、南野風です」おっちゃんは小声で言った。

私は思わず固まってしまった。

南野風という名前は、ほとんど私の記憶から消えていた。

南野陽太が自殺した後、南野氏はすぐに経済危機に陥り、資金繰りが破綻した。南野風は加藤蓮に抗議したが、加藤家から追い出され、さらにメディアに撮られてしまった。その上、鈴木千代を妨害しようとして、鈴木千代は身の危険を感じて警察に通報した。その後、南野氏は借金のために破産し、南野風は複数の罪状で投獄された。木村美雨は彼と離婚して実家に戻り、その後の消息は不明だ。

当時、私は南野陽太の死でメディアから攻撃を受け、てんてこ舞いだった。叔父さんは一度南野風に会いに行ったが、帰ってきてからは口を閉ざしていた。南野風が投獄された時、私がその理由を調べようとすると、叔父さんは私を止め、関わる必要はないと言った。彼によれば、南野風は自ら望んだことで、助けは必要ないとのことだった。

今になって彼が自ら私に会いたいと?

おっちゃんは軽く頷いた。

叔父さんは顔を上げずに言った。「会ってきなさい。おっちゃん、手配を頼む。今は風当たりが強いから、余計な問題は起こさないように」

叔父さんは最近ずっと仕事に没頭していて、言葉も少なくなっていた。もちろん、麦田絵麻とだけは話しているのかもしれないが。

初めて会った時、目の前のやせこけた男が南野風、私の大叔父だとは、ほとんど認識できなかった。

幾重もの重い打撃によって、かつての太鼓腹の中年富豪は、干からびたようなおじいさんに変わっていた。以前はとても太っていたので、今痩せると皮膚がたるんでしまい、まるで人皮の骨組みのように見え、別人のようだった。

「南野星、会いに来てくれてありがとう」彼は笑おうと努力したが、その笑顔は泣き顔よりも見苦しかった。

私は彼に向かって頷いた。