第456章 裏切り

私は頷き、この考えに全く同意した。

二人が一緒にいるとき、最初から別れることを計算したり、相手が裏切ったらどうなるかと考えるなら、その結末は既に決まっているのだ。

「聞いたんだけど、勿忘草が最終的に流出したのは、私の叔父さんと関係があるの?あと、あの忘れ草も」

祖母はまた溜息をついた。「話せば、すべては因縁だよ。あの年、堂本彰が追われていた時、ある村の聖女に救われたんだ。その原始の村では、族長と魔法使いが最も尊い人で、聖女はその村で神から授かった天使と称えられ、生涯結婚できないが、村の全ての人から崇拝されていた」

「村では女の子が生まれると、まず大巫師のところへ占いに連れて行かれる。もし天命の聖女と定められれば、族長の家で養われ、衣食住すべてが村人からの献上品となる。しかし聖女と認定された瞬間から、唖の薬を飲まされ、生涯話すことができなくなる」

おっちゃんは嘲笑した。「まさか天機を漏らすのを恐れてるの?」

祖母は厳かに頷いた。「そうだよ」

私とおっちゃんは顔を見合わせ、言葉を失った。

「堂本彰を救った聖女は、ただの聖女ではなく、村の族長の実の娘だった。村の何世代にもわたって、こんな状況は一度もなかったから、その年の聖女の戴冠式は非常に盛大で、何世代もの記憶に残るものだった」

「聖女は何の心配もなく18歳まで成長し、恋心が芽生えたが、禁忌に縛られ、誰も好きになることができなかった。原始の村での感情は熱烈で奔放で、何の隠しもなく、若い聖女の心に強い刺激を与えた。彼女はよく一人で後山の洞窟にある温泉に入りに行った。そこは外部の人間が入ることを許されず、彼女のプライベートな領域だった。そして堂本彰は偶然にその洞窟に入り込み、聖女に救われ、傷を癒され、そして彼女のもとに留まった」

「二人の若者は一緒にいて、感情は真摯で、欲望は強かった。聖女は話せなかったが、非常に賢く、この外からきた若者を引き留め、この洞窟で一生を過ごしたいと思った。しかし彼女は、この若者が同意するかどうか分からなかった。そこで彼女は神から授かったこの愛に保険をかけ、若者に勿忘草の毒を与えたが、彼には告げなかった。二人の日々は神仙のように幸せだった」