第480章 海賊

何度も、マギーを訪ねて、この全てを忘れさせてくれる薬を探してもらおうか、あるいは二度と目覚めない眠りにつかせてくれる薬を求めようかと思った。

時々、マギーを訪ねに行かないよう自分の足を抑えるには、並外れた勇気と意志力が必要だと感じる。

毎朝3時か4時に目が覚め、そして静かに日の出を待つ。この小島のどの角度からも太陽の昇るのを見届けたことがある。

白川晴はそれを見かねて、私がこんな風に時間を無駄にしているのはあまりにもったいないと思い、早起きして私を連れ出し、格闘技を教えてくれた。

私は熱心に学んだ。

何でも学ぶ気があった。時間を潰す必要があったから。

しかし、誰とも連絡を取ることを拒んだ。

叔父さんも麦田絵麻も加藤真凜も。

彼らの誰とも会話したくなかったし、ビデオ通話もしたくなかった。

彼らからビデオ通話が来るたびに、私は言い訳をして立ち去り、時間と機会を白川浅里と白川晴に譲った。

私のこの行動は、彼らにとって予想外のものだった。

彼らは私の去り方がこれほど決然としていて、このような態度を取るとは思っていなかった。

実は私自身も予想していなかった。

私は、離れても彼らといつでも連絡が取れると思っていた。

でも、できなかった。彼らの誰もが、私にとっては加藤律と同じだった。

彼らの誰からでも加藤律についての情報を得ることができるが、それを望まなかった。

他人の口から加藤律についての話を聞きたくなかった。

こんな気取った感情を、誰も理解してくれないだろう。

このままでは、この苦しみに磨り潰されて、二度と立ち直れなくなるだろうと思った。

幸いなことに、すぐにやるべきことが見つかった。

誰かが私の小島に目をつけたのだ!

私たちの小島は非常に隠れた場所にあり、島には対レーダー装置があるため、たとえ通りかかる船があっても、海賊であっても、ここを簡単に発見することはできない。

しかし、物事には常に例外がある。

ある嵐の日、小さなボートが島の近くで座礁し、島に住む十数世帯の島民たちが彼らを救助した。

善意が仇となったのだ!

彼らは海賊だった。

島民の救助と贈り物を受けた彼らは、すぐに仲間を集めて私たちの小島を攻撃しに来た。もちろん、豊かな資源と島の絶好の地理的位置が目当てだった。