何度も、マギーを訪ねて、この全てを忘れさせてくれる薬を探してもらおうか、あるいは二度と目覚めない眠りにつかせてくれる薬を求めようかと思った。
時々、マギーを訪ねに行かないよう自分の足を抑えるには、並外れた勇気と意志力が必要だと感じる。
毎朝3時か4時に目が覚め、そして静かに日の出を待つ。この小島のどの角度からも太陽の昇るのを見届けたことがある。
白川晴はそれを見かねて、私がこんな風に時間を無駄にしているのはあまりにもったいないと思い、早起きして私を連れ出し、格闘技を教えてくれた。
私は熱心に学んだ。
何でも学ぶ気があった。時間を潰す必要があったから。
しかし、誰とも連絡を取ることを拒んだ。
叔父さんも麦田絵麻も加藤真凜も。
彼らの誰とも会話したくなかったし、ビデオ通話もしたくなかった。