第545章 夢の中

私は奇妙な夢を見た。夢の中の陽光はとても優しく、とても暖かかった。

体を丸めていると、体もほかほかと温かく、こんなに温かい感覚は今まで一度もなかった。

まるで焼けて溶けてしまいそうなほどだったが、とても心地よくて、目を開けるのももったいないほどだった。

鼻先には清々しい良い香りがして、それは馴染みがあるようで見知らぬような、幸せの香りだった。

幸せ?

この言葉はなんて馴染みがないのだろう!

体に細かい汗をかいているのを感じた。

汗をかくという感覚は、とても不思議だった。私は汗をかかない、どんなに暑くても汗をかくことはなく、いつも冷たく、体温は半夏よりも1度低いのだ。

マギーは言った、それは私の体が弱いからで、これから養生すれば良くなると。

そんなの信じるものか!

私は気持ちよく軽く体を伸ばした。伸びをしようと思った、たとえ今までそんな動作をしたことがなくても。