036 お姉ちゃんがカッコイイって褒めてくれた

三年前から悪夢のように骨の髄まで刻み込まれた声を聞いた瞬間、藤丸詩織の動きは思わず止まった。

その後、彼女は水野月奈を見上げ、即座に拒否した。「だめよ」

「詩織ってなんでそんなにケチなの?テーブルを一緒に使うのさえ嫌がるなんて」水野月奈が断られた後、桜井蓮は慰めるように彼女の頭を撫でながら、前に出て言った。

榊蒼真は瞳を暗くし、桜井蓮を見上げて言った。「どうしたんですか?今や寛容な桜井社長は個室一つも予約できなくなって、人のテーブルに相乗りしたいんですか?それに、これは姉さんのテーブルですから、断る権利があります。それなのにあなたは人を非難する。そう考えると、桜井社長こそ度量が狭いですね。ケチという称号は桜井社長にこそ相応しいでしょう」

藤丸詩織は心の中で見事な言い回しだと感心し、同時に榊蒼真に向かって親指を立てた。