085 戻ったら犬になる

桜井蓮は以前、服やアクセサリーについてよく分からなかったが、この頃水野月奈に多くのブランド品を買わされたため、少し理解するようになった。

桜井蓮は藤丸詩織の今日の服装を思い出し、突然彼女の身につけているものが全て限定品だと気づいた。

藤丸詩織が自分で買えるはずがない。きっとまた誰かの男からもらったんだろう!やっぱり拝金主義の女だ。毎日あちこちで男に引っかかっている。

ふん、あの時は愛してると口にしていたが、結局は金目当てだったんだろう!

藤丸詩織は桜井蓮が心の中で自分を踏みつけていることを知らなかったが、知ったとしても気にしないだろう。今は絵を探すことが何より重要だったから。

久我湊はあくびをしながら、だらだらと歩きながら不思議そうに尋ねた。「社長、こんな遅くに会社に呼び出して何かあるんですか?」