090 容姿の融合体

藤丸詩織が墓地に現れたのは、きっと藤丸さんに付き添って来たのでしょう。

高遠蘭子については、桜井蓮は今のところ彼女のために正義を取り戻すつもりはありませんでした。結局、彼は既に彼女に藤丸詩織に関わらないよう警告していたのですが、彼女は聞く耳を持たず、今の状況は全て自業自得なのです!

「ピンポーン」桜井蓮は我に返り、携帯を取り出して新着メッセージを確認しました。

周防司から送られてきた写真を見て、桜井蓮は目を細め、手を上げて写真を拡大し、抱き合いキスをする男女を見つめると、目に炎が燃えているかのようでした。

桜井蓮は携帯を握る手を思わず強く握りしめました。女性は横顔しか見えませんでしたが、桜井蓮は一目で分かりました。それは藤丸詩織でした!そして写真の男性もとても優れた容姿をしていました!

イケメンと美女が並ぶと特に目を引きますが、桜井蓮はそれを見て、自分の目が刺されるような痛みを感じ、心の底からイライラが込み上げてきました。

桜井蓮:「藤丸詩織のやつ、また誰かのイケメンと一緒にいるんだ?」

周防司:「もし私の推測が間違っていなければ、橘三郎さんじゃないかな?」

橘三郎さん?

ふん、やるじゃないか。次から次へと男を誘惑して、帰国したばかりの御曹司まで手に入れるなんて、本当に手練手管が上手いものだ!

周防司は桜井蓮に返信した後、携帯をしまい、大きな木の後ろに隠れて藤丸詩織と橘譲の二人を注意深く観察していました。残念ながら距離が遠すぎて、彼らが何を話しているのか全く聞こえませんでした。

ただ、藤丸詩織と橘譲はどうやって知り合ったのでしょうか?

結局のところ、この3年間、藤丸詩織は桜井蓮に一途な想いを寄せ、狂おしいほど彼を好きでした。桜井蓮がその場にいれば、彼女の目には他の人が入る余地がなく、まして他の人を好きになるなんてことはありえませんでした。

橘譲については、周防司も知らないわけではありませんでした。結局のところ、東京の上流階級の子女たちは皆顔見知りで、彼も橘譲と会ったことがありました。さらに橘譲は東京一のレーサーとして多くの人々から支持されており、時々他人の口から橘譲の名前を耳にすることがありました。