桜井蓮は周防司の声を聞いて、眉間の皺が少し緩んだ。椅子に寄りかかりながら答えた。「違う」
ニュースの件については、相良健司に危機管理広報を任せ、事後の影響を最小限に抑えたが、まだ噂を広めている人がいた。
しかし桜井蓮は最悪の事態を想定していたため、この件を気にかけていなかった。
周防司は軽く笑い、感心したように言った。「兄弟、メンタル強いな。でもあの水野月奈は一目で分かるクズだったのに、お前が落ちぶれてた時は海外に行って、成功したら戻ってきやがった。なのにお前は目が見えてないみたいに気付かなかった」
桜井蓮は目を伏せ、冷たく言った。「用件がないなら、切るぞ」
周防司はそれを聞いて、慌てて言った。「あるある、用件がある!」
今回彼が桜井蓮に電話したのはこの件のためで、電話を切られるわけにはいかなかった。