215 イチゴミルクティー

榊蒼真は少女の言葉にこだわるのをやめ、「お姉さん、屋台街に行きましょう。今日下調べをしたら、屋台街に行きたくなって、お姉さんも同じことを考えていたなんて!」と言いました。

藤丸詩織は頷き、榊蒼真のカジュアルウェアに気づいて、「その服、とても似合ってるわね」と言いました。

運転中のアシスタントは笑いを堪えるのに必死でした。榊さんが藤丸さんに良い印象を与えようと、一日中服を選んでいたことを知っていたからです。

今、藤丸さんに褒められて、榊さんがどれほど嬉しいか想像できました。もし尻尾があったら、きっともう揺らしていることでしょう。

確かに、榊さんは藤丸さんの側にいる時はとても楽しそうで、普段の冷たさも減り、スタッフに対する話し方も以前より温かみがありました。

榊蒼真は、アシスタントの想像通り、藤丸詩織の言葉を聞いて心が躍り、頭がクラクラしていました。